皆さま、バレエ『ラ・バヤデール』のお話を聞いたことがありますか?
古代インドを舞台とする戦士と舞姫の物語で、人気の高いバレエ作品です。
最近では、フィギュアスケートアイスダンスで高橋大輔選手、村元哉中選手が披露していて、話題となりました。
また、個人的には所属していた大学のバレエサークルで上演した、思い出深い作品です。
機会があれば、写真もお見せしたいと思います…!
今回はそんな、バレエ『ラ・バヤデール』のあらすじと見どころをご紹介します!
- バレエ『ラ・バヤデール』の作品について知りたい方
- バレエ経験者からの見どころ解説に興味のある方
- たまには芸術の世界に浸ってみようかな~と思ったそこのあなた!
ぜひ、記事を読んでバレエ界が誇るインドの世界をお楽しみください♪
目次
バレエ『ラ・バヤデール』のあらすじは??見どころもご紹介!!
始めに、『ラ・バヤデール』という作品について少しご紹介します。
冒頭でもお伝えした通り、古代インドが舞台の物語です。
ロシア名は『バヤデルカ』。
1877年にサンクトペテルブルクで初演されました。
音楽は『ドン・キホーテ』や『パキータ』でおなじみの、レオン・ミンクス。
壮大で、緩急があり、聞きごたえのある名曲揃いで、曲だけは聞いたことがあるという方も多いかもしれません。
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振付は天才振付家のマリウス・プティパ。
情感豊かでなんともドラマチックな振付です。
バヤデールというのは、フランス語で「舞姫」という意味らしく、『神とバヤデール』という『バヤデルカ』と同じ作品がフランスで先行していて作られていたそうです。
そのため、フランスでは『ラ・バヤデール』という名前で親しまれています。
バレエ『ラ・バヤデール』あらすじ
さて、いよいよあらすじをご紹介していきます!
まずは、こちらの相関図をご覧ください♪
※幕の構成や解釈は版によって異なります。
第一幕 戦士ソロルと舞姫ニキヤの恋
舞台は古代、南インド。
勇敢な戦士ソロルは寺院の舞姫(バヤデール)であるニキヤとひそかに愛し合っており、結婚の誓いを立てます。
国王ラジャは若き英雄ソロルを大層気に入り、愛娘ガムザッティと結婚させようとしている様子。
ガムザッティもまた勇敢で麗しいソロルを愛します。
ラジャにガムザッティとの結婚を命じられたソロルは、ニキヤのことを思い、戸惑います。
しかし、美しいガムザッティに惹かれ、またラジャの権力にもに逆らえず、結婚を承諾してしまいました。
大僧正は美しいニキヤを愛していますが、拒まれていました。
ソロルに嫉妬した大僧正は、ラジャにニキヤとソロルの関係を告げ口してしまいます。
するとラジャは、大僧正の思惑とは裏腹に、邪魔者ニキヤを殺そうと企むのでした。
この話を聞いていたガムザッティはニキヤを自室に呼び寄せ、ソロルには自分という婚約者がいると告げます。
ガムザッティはニキヤに、ソロルとの別れを迫りますが、ニキヤは神に結婚を誓ったと言って聞きません。
怒ったガムザッティに殴られ、ニキヤは思わず短剣を握りますが、侍女に阻まれて逃げ出します。
ガムザッティは静かに、侍女に彼女を殺すよう命じるのでした。
ソロルとガムザッティの婚約を祝う宴の場。
そこで、舞姫として悲しげに舞うニキヤ。
ソロルから贈られたという花かごを喜んで受け取りますが、そこには毒蛇が仕込まれていました。
毒蛇に咬まれて倒れたニキヤに、大僧正が我が物となるなら助けると解毒薬を差し出しますが、ニキヤは拒んで息絶えます。
第二幕 幻影の場、そして結婚式…
ニキヤを裏切った悔いと彼女を失った悲しみに暮れ廃人と化すソロルに、従者がアヘンを差し出します。
幻覚の中でソロルは美しいバヤデールたちのなかにニキヤを見つけ、改めて愛を誓います。
やがて寺院で、ソロルとガムザッティの結婚式が執り行われました。
しかし、ニキヤとの愛の誓いを破ったソロルに神が怒り、寺院が崩壊して全員死んでしまいます。
ニキヤとソロルの魂は、天国でようやく結ばれるのでした。
バレエ『ラ・バヤデール』の見どころは?
ここまで、あらすじをご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?
個人的にはバレエ作品の中でもかなり感情の動きが激しい作品だと思っております。
特に、女同士のリアルな戦いが繰り広げられる作品は、かなり珍しいのではないでしょうか。
ここからは、バレエ『ラ・バヤデール』を楽しむポイントをご紹介していきます!
ぜひ、鑑賞する際は注目して見てみてください♪
ポイントは以下の3つです!
- ニキヤとガムザッティの美しさ
- 一風変わったディベルティスマン
- 影の王国の群舞
ニキヤとガムザッティの美しさ
バレエのヒロインあるあるなのですが、とにかく登場人物の女性が美しすぎます。
『ラ・バヤデール』には主役級の女性が二人おり、それがニキヤとガムザッティです。
ニキヤは寺院の舞姫であり身分は低いですが、欲望に強い(はずの)大僧正を嫉妬で狂わせ、勇敢な戦士ソロルを夢中にさせるほどの神々しい美貌を誇ります。
一方、ガムザッティは国王ラジャの娘であり、大事に大事に育てられた、まさに「お姫様」というような可憐さと豪華さを持っています。
2人に共通する点として、登場する時にヴェールをかぶって出てきます。
それを、ニキヤの場合は大僧正が、ガムザッティの場合は父親のラジャが、外すのです。
思わず注目してしまいますし、隠されている人って自分の想像で勝手な解釈をしてしまいますよね。
でも、外した瞬間も絶対にがっかりしません!
「美しさ」の演出として、私の大好きな場面です。
バレエダンサーの美しさについて、この記事でも語っていますので、よろしければ読んでみてください♪
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一風変わったディベルティスマン
ディベルティスマンとは、バレエ作品中に登場する、物語とは直接関係のない踊りのことです。
多くのクラシックバレエ作品の中に、ディベルティスマンはありますが、『ラ・バヤデール』のディベルティスマンは変わったものばかり。
一番変わっているのはブロンズ・アイドルの踊りですね。
全身金色の仏像が、急に踊りだすというような演出です。
引用:YouTube
しかし、この踊り注目の若手ダンサーが踊るような花形の踊りですので、なめちゃだめですよ!
その見事なテクニックに圧倒されます。
また、壺の踊りも変わってます。
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引用:Instagram
こんな大きい壺をのせて、重たくないのかしら~?
まさに、インドっぽいシルエットですよね。
音楽も、踊りもとても可愛らしくてほっこりします。
影の王国の群舞
影の王国は、あらすじの第二幕でご紹介した、ソロルが見る幻影の場面です。
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真っ暗い舞台に、月の光だけで照らされているかのような僅かな照明。そして、真っ白いチュチュを身にまとうダンサーたち。
まさに、夢でもみているかのような光景です。
舞台セットが豪華なところでは、奥が坂のようになっていて、アラベスクからパンシェにしながら降りてくる様子は圧巻です。(上げた後ろ足をもっと上げて足と頭の高さが逆転するような方になるのがパンシェです。わかりづらくてすみません。)
ぴったり揃ったコールド・バレエ(群舞)を見ると、バレエみてるなぁ!って感じがして、いいですね♪
バレエを踊る人なら、誰もが一度は踊ってみたいと感じる場面ではないでしょうか。
おわりに バレエ『ラ・バヤデール』を楽しもう!
ここまで、バレエ『ラ・バヤデール』のあらすじと、見どころをご紹介してきました。
最後に、もう一度まとめます!
- バレエ『ラ・バヤデール』は、古代インドを舞台とする、戦士と舞姫の身分違いの恋物語。
- みどころは、主役2人の美しさ、一風変わったディベルティスマン、影の王国の群舞。
ぜひ機会がありましたら、ラ・バヤデールで古代インドの世界を楽しんでください♪
最後までお読みいただきありがとうございます。