皆さま、バレエ『海賊』をご存じでしょうか?
『海賊』は、音楽や踊りとして有名なものがたくさんありますが、「お話」自体はあまり意識していない人も多いのではないでしょうか。
『海賊』は、男のロマンがたっぷり詰まった、ドラマティックで面白いお話なのです…!※個人の意見です。
本記事では、バレエ『海賊』のあらすじと、見どころをご紹介していきます!
ぜひ、最後までお楽しみください♪
目次
バレエ『海賊』のあらすじは??見どころも解説!!
バレエ『海賊』の原作は、1814年に発表された、イギリスの詩人であるジョージ・ゴードン・バイロンの長編物語詩『海賊』です。
音楽は最初、アドルフ・アダンが作曲しましたが、その後C.プニーニやL.ドリーブ、R.ドリゴ、L.ミンクスなど有名なバレエ音楽の作曲家たちによって曲が追加されています。
振付は、ジョゼフ・マジリエですが、現在では1899年にマリウス・プティパによって振付された改訂版を採用しているバレエ団が多いです。
バレエ『海賊』のあらすじをご紹介
では、さっそくバレエ『海賊』のあらすじを見ていきましょう。
プロローグ
嵐の中を航海する、一隻の海賊船。
海賊たちは船の沈没を避けようと一生懸命ですが、ついに難破してしまいました。
第1幕 奴隷市場
海辺に打ち上げられた海賊たちは、通りがかったギリシャの娘たちに助けられます。
海賊のメンバーは首領コンラッド、忠実な手下のアリ、そしてコンラッドの友人であり手下であるビルバンド。
ギリシャの娘たちの中でも、ひときわ美しいメドーラと首領コンラッドはお互いに惹かれ合います。
と、その時。
突然、トルコ軍が乱入しメドーラたちは奴隷商人ランケデムによって、奴隷市場へと連れ去られてしまいました。
メドーラたちを救うため、海賊3人も奴隷市場に向かいます。
奴隷市場ではギリシャの娘たちが、トルコ総督であるパシャの前で売りに出されていました。
まず、美しいメドーラの友人ギュリナーラがパシャに気に入られて買われることに…。
続いてメドーラの番になると、商人に変装した海賊たちがメドーラを高値で買い取ろうとしてきました。
しかし、パシャに不審に思われてしまったため海賊たちは姿を現し、メドーラとギリシャの娘たち、そして奴隷商人を連れて逃げ出しました。
第2幕 洞窟
メドーラたちを取り戻した海賊一行は、洞窟で宴を開いています。
すると、ギリシャの娘たちがメドーラに、家に帰らせてほしいとコンラッドにとりなすことを頼んできました。
メドーラがコンラッドにギリシャの娘たちの願いを伝えると、コンラッドはメドーラの願いを聞き入れ娘たちを解放しようとしますが、ビルバンドをはじめとする手下たちは猛反対。
しかしコンラッドは反対を押し切り、娘たちを解放します。
面白くないビルバンドは、睡眠薬をしこんだ薔薇の花をこっそりメドーラからコンラッドに渡させます。
寝室でコンラッドと甘い時間を過ごしていたメドーラは、ビルバンドの計らいに気づかずコンラッドに薔薇を渡すと、みるみる眠りに落ちるコンラッド。
混乱に陥ったメドーラは、控えていた奴隷商人ランケデムによって再び連れ出されてしまいました。
アリが騒ぎに気づいて駆けつけますが、時すでに遅し。
アリはコンラッドを起こし、共にメドーラを取り返しに向かいます。
第3幕 パシャの宮殿
パシャの宮殿では、ギュリナーラをはじめとする奴隷たちがパシャをもてなしていました。
そこへ、ランケデムがメドーラを連れて再び現れます。
取り逃がしたと思っていたメドーラと再会して幸せな気分に浸るパシャは、そのまま眠りにつきます。
パシャの夢の中ではメドーラやギュリナーラを中心として奴隷たちが美しく踊り、まるで花園のよう。
パシャが目を覚ますと、そこへ巡礼者のフリをした海賊たちがやってきました。
タイミングを見計らって正体を現した海賊たちは、メドーラやギュリナーラたちを助け、裏切った奴隷商人をこらしめます。
宮殿から逃げ出した海賊一行ですが、船はなんと嵐に襲われ、あえなく沈没。
しかし、メドーラとコンラッドは大岩に打ち上げられ、奇跡的に助かったのでした。
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バレエ『海賊』の見どころ三選
さて、バレエ『海賊』のあらすじはいかがでしたでしょうか?
ここからはバレエ『海賊』の、私的おすすめの見どころを3つご紹介します♪
『海賊』を鑑賞する際に、物語と合わせてご注目ください!
超有名!メドーラ、コンラッド、アリのパドトロワ
引用:YouTube
第2幕で披露される、海賊の首領コンラッドと恋人のメドーラ、そしてコンラッドの忠実な手下であるアリの3人での踊りです。
入りの音楽から美しすぎて、音だけでもとろけてしまいそうですね…。
バレエ教室の発表会などでは、メドーラとアリの2人バージョンで踊られることも多いです。
数々のバレエ作品で踊られる「パドドゥ」(2人の踊り)の中でも、とても有名な踊りです。
回転やリフトなど、見せ場が多いので、踊りそのものを見ても楽しいですが、私はコンラッドとメドーラに敬意を表し続けるアリが大好きです…。
豊富で多彩なバリエーションの数々
引用:YouTube
「海賊のバリエーション」と呼ばれる踊りは、とてもたくさんあります。
私が数えただけでも、女性だけで10曲以上ありました。
「白鳥の湖」など、ほかの古典的なバレエ作品にはあまりないのですが、『海賊』は少し特殊で、作品中に使う音楽のバレエ団によるバラつきがとても多いです。
そのため、例えば『パキータ』や『ドン・キホーテ』など、ほかの作品で使われている曲を『海賊』で使うこともよくあります。
「海賊のバリエーション」を踊ったことのある人は、自分の踊った踊りがどこで使われている曲なのか、探してみると面白いですよ!
男たちで繰り広げられるドラマ
冒頭でもお伝えしましたが、『海賊』はバレエ作品の中では珍しく「男性がメインでストーリーが進む」作品です。
主要な登場人物のほとんどが男性です。
男性の主要な登場人物▼
- 主人公で海賊の首領コンラッド
- コンラッドの忠実な手下アリ
- コンラッドの友人で手下である(のちに裏切る)ビルバンド
- 奴隷商人ランケデム
- トルコ総督パシャ
特に、ビルバンドとランケデムは初見だとかなり混乱するので、登場人物をしっかり確認してから作品を観るようにしましょうね。
男たちの熱いドラマに目が離せません~!!
バレエ『海賊』を観る方法
最後に、バレエ『海賊』を観る方法をご紹介します。
バレエ鑑賞はそもそも劇場で観ることが普通ですが、自宅でもDVDやオンラインで鑑賞することができます。
ここではおすすめの『海賊』コンテンツをご紹介します。
アメリカン・バレエシアター『海賊』
アメリカン・バレエシアターの『海賊』はまさに王道です。
それぞれのキャラクターが本当に生き生きしていて、いい意味で「美しすぎない」魅力を見ることができます。
コンラッドのキザな感じと、アリの若いスター感、ビルバンドの憎い感じが最高でした。
女性陣もべっぴんさん過ぎて、感動します。
K-BALLET COMPANY 『海賊』
K-BALLET COMPANYは、熊川哲也さんが芸術監督を務めるバレエ団。
日本のバレエ団で『海賊』といったらKバレエというくらい、Kバレエの海賊は有名です。
Kバレエでは監督である熊川さんが「アリ」役で、卓越したスター性と技術を持ち合わせたアリを堪能することができます。
おわりに バレエ『海賊』を楽しもう!
ここまで、バレエ『海賊』のあらすじと見どころを紹介してきました。
以下に、簡単にまとめます。
- バレエ『海賊』は、海賊の首領コンラッドとギリシャの娘メドーラの恋物語
- 見どころは、超有名なパドトロワ、多彩なバリエーション、男性が繰り広げるドラマ
バレエ『海賊』で、キュンキュンしましょう♪
最後までお読みいただき、ありがとうございます。