皆さま、バレエ『アレルキナーダ』のあらすじをご存知でしょうか?
最近コンクールなどでもよく踊られているアレルキナーダのヴァリエーション。とっても可愛くて私も大好きなのですが、よく考えたら話の内容知らないな~という方も多いのではないでしょうか。
先日公開されたバレエがテーマとなっている映画『ミッドナイトスワン』でも、衝撃的なシーンで踊られて話題になっておりました。
映画『ミッドナイトスワン』の感想はこちらの記事で書いております。
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本記事では、バレエ『アレルキナーダ』について、ご紹介していきます。
具体的には、以下の内容についてお話します。
- バレエ『アレルキナーダ』ってどんな作品?
- バレエ『アレルキナーダ』のあらすじ
- アレルキナーダのヴァリエーションのポイント
この記事を読んで、バレエ『アレルキナーダ』をもっと楽しみましょう♪
目次
バレエ『アレルキナーダ』ってどんな作品?
そもそも、「アレルキナーダ(Harlequinada)」とは、アルレッキーノ(英語ではハーレキン、仏語ではアルルカン)が登場する物語の総称を指します。
アルレッキーノ (Arlecchino) とは、イタリアの即興喜劇コメディア・デラルテに出てくるキャラクターの一つです。
ひし形の模様のついた衣裳を身にまとい、顔にマスクをつけています。
性格は、ずる賢い人気者、ペテン師(悪人ではない)、道化師のような位置づけとして登場することが多いようです。
アルレッキーノ▼
引用:Wikipedia
アルレッキーノにはコロンビーヌというとても可愛い恋人がいます。
さて話を戻しまして、このアルレッキーノが出てくる作品、「アレルキナーダ」。
バレエ作品の中では、「人形の精」、「百万長者のハーレキン」、「くるみ割り人形」などが「アレルキナーダ」にあたるようです。
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「人形の精」、「百万長者のハーレキン」、「くるみ割り人形」のうち、「百万長者のハーレキン」が、バレエ『アレルキナーダ』と呼ばれているようです。
バレエ『アレルキナーダ』は1900年、マリウス・プティパ振付、リカルド・ドリゴ作曲により、サンクト・ペテルブルクのエルミタージュ劇場で初演されました。
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バレエ『アレルキナーダ』のあらすじ
それでは、バレエ『アレルキナーダ』のあらすじを見ていきましょう。
※あらすじは、2018年にアメリカンバレエシアターによって上演された『アレルキナーダ』のレポートを参考にしています。
第1幕 囚えられたコロンビーヌ
アルルカンとコロンビーヌは仲睦まじい恋人同士。
しかし、コロンビーヌの父親カサンドルはそれを許しておらず、お金持ちのレアンドルと結婚させようとしています。
父親はアルルカンをコロンビーヌから引き離すため、コロンビーヌを家に閉じ込めてしまいました。
父親は彼の従者であるピエロに、その鍵を預からせます。
ピエロの妻であるピエレットはコロンビーヌをかわいそうに思い、家の鍵を盗もうとしました。
そしてついに、コロンビーヌはピエレットの助けによって、閉じ込められていた父親の家から逃げ出しました。
アルルカンとコロンビーヌは久しぶりに再開し、甘い時間を過ごします。
ピエロはアルルカンとコロンビーヌの様子を家のバルコニーから見ていて、あわてて父親のために、彼の部下に追いかけさせました。
家の中で乱闘になり、アルルカンはバルコニーから落下してしまいましたが、恋人たちを守護しているグッド・フェアリー(女神)によって奇跡的に生き返ります。
アルルカンはグッド・フェアリーに生き返らせてくれたお礼をして、コロンビーヌと結婚するために助けて欲しいとお願いしました。
すると、グッド・フェアリーはアルルカンに、彼の望みをかなえてくれる魔法のスティックを授けてくれます。
レアンドルがコロンビーヌのところへ来ると、アルルカンはスティックを使って自分の分身をたくさん出して、レアンドルをやっつけてしまいました。
家の中のピエロとレアンドルがアルルカンの魔法に捕らえられているのを横目に、広場のみんなは幸せそうに帰っていくのでした。
第2幕 アルルカンとコロンビーヌの結婚式
アルルカンとコロンビーヌの結婚式のために、たくさんの人々が集まっています。
父親は、コロンビーヌをレアンドルと結婚させるため、セレモニーを邪魔しようとしてきましたが、彼女はそれを拒否しました。
父親はピエロにアルルカンを襲わせようとしましたが、アルルカンは魔法のスティックによって逃げました。
グッド・フェアリーがカサンドルにささやいて、アルルカンが魔法のスティックをふると、なんと札束がたくさんあふれてきて、アルルカンが見るからにお金持ちに見えるではありませんか。
それを見た父親は、やっとアルルカンとコロンビーヌの結婚を許しました。
広場ではみんなが幸せに踊るのでした。
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アレルキナーダのヴァリエーションのポイント
さて、ここまでバレエ『アレルキナーダ』のあらすじを見ていきました。
かなりドラマティックな作品…というよりは、平和でファンタジーな喜劇といった印象ですね。
ここからは、コンクールでよく踊られているアレルキナーダのヴァリエーションについて見ていきたいと思います。
まずは、お手本の踊りを見てみましょう♪
引用:YouTube
モスクワのコンクールで踊られている様子です。
ヴァリエーションのポイントを3つご紹介します!
- 恋する乙女の表情
- 安定したピルエット
- 特徴的な可愛らしい振付
恋する乙女の表情
アレルキナーダのヴァリエーションで踊られる役柄は、アルルカンと恋に落ちているコロンビーヌです。
この踊りは、第1幕にてやっと会えたアルルカンとたくさんイチャイチャしているときの踊りですので、もう幸せいっぱいな感情のはず。
好きな人のことを思い浮かべて、ぜひ可愛らしい乙女の表情で踊りましょう♪
安定したピルエット
アレルキナーダのヴァリエーションでは、振付によりますが6回くらいピルエット(回転)をします。
これは、他のヴァリエーションと比べると、とても多いです。
おそらくこの踊りを踊る皆さまは、回転が得意な人なのだと思いますが、何百回ピルエットしても崩れないような回転軸を目指したいですね…!!
コンクールなどでド緊張のなか、安定した回転をできる人って本当にすごいなぁと思います。
特徴的な可愛らしい振付
アレルキナーダといえば、口に指を当てて「シーッ!」とするポーズや、手を叩くような仕草など、ちょっと人形っぽく、大げさに可愛い(アザトイ)振付が多いです。
コロンビーヌになりきって、照れずに可愛くキメてくださいね♪
場面としては、囚われていたところをこっそり抜け出したところなので、見つからないように…でもアルルカンとあえて嬉しくて盛り上がってしまうようなイメージだと思います。
おわりに バレエ『アレルキナーダ』を楽しもう!
バレエ『アレルキナーダ』の作品は、あまり全幕で踊られることはないですが、とても可愛らしい作品です。
要点を以下にまとめます。
- バレエ『アレルキナーダ』はアルルカンとコロンビーヌの恋のお話。
- アレルキナーダのヴァリエーションは、表情豊かに、安定した回転と可愛らしい振付を存分に見せましょう♪
バレエ『アレルキナーダ』を、ぜひ楽しんでください!
最後までお読みいただきありがとうございます。