皆さま、今年もクリスマスが近づいてきましたね…!
クリスマスと言えば、そう。「くるみ割り人形」です!!
ところで「くるみ割り人形」は、上演するバレエ団によって物語が少し違うことをご存じでしたか?
今回は、中でも有名な英国ロイヤル・バレエのくるみ割り人形について、ご紹介してきます!
今年はロイヤル・バレエのくるみ割り人形で、素敵なクリスマスを過ごしましょう♪
目次
ロイヤルバレエ「くるみ割り人形」のあらすじ
さっそく、ロイヤルバレエの「くるみ割り人形」のあらすじをご紹介していきます!
※参考:山本康介「英国バレエの世界」、TOHO-TOWA「ロイヤルバレエ くるみ割り人形」
序章 ドロッセルマイヤーの部屋
手品師で発明家のドロッセルマイヤーは、王室で悪さをするねずみを退治する罠を発明しました。
すると、ねずみの王様は復讐のためにドロッセルマイヤーの甥ハンス・ピーターに呪いをかけ、くるみ割り人形の姿に変えてしまいました。
ハンス・ピーターにかけられた呪いを解くためには、くるみ割り人形がねずみの王様を倒し、そしてピーターを愛してくれる娘が現れなければなりません。
第1幕 クリスマスパーティ
クリスマスイヴの夜。
クララの家ではクリスマスパーティが開かれています。
バレエを習っているクララは、おばあさまからバレリーナ人形をプレゼントされて、大喜びです。
クララや友達、士官学校の生徒たちに続いて、昔バレリーナだったクララのお母さんも見事な踊りを踊ります。
余興に呼ばれていたドロッセルマイヤーは素敵な手品で子供たちを喜ばせると、クララにあのくるみ割り人形をプレゼントします。
途中、いたずら者のクララの弟、フリッツがくるみ割り人形を壊してしまいましたが、ドロッセルマイヤーがあっという間に直してくれました。
なんと、ドロッセルマイヤーの正体は魔法使いだったのです。
パーティも終わった後の夜遅く。
クララはくるみ割り人形が率いる人形たちとネズミだちの戦争を目撃してしまいます。
そして、くるみ割り人形が襲われそうになったところを、間一髪で救うことに成功しました。
すると、人形がたちまちハンス・ピーターの姿に戻り、助けてくれたお礼にクララをお菓子の国に招待します。
クララとピーターは雪の国を通過して、お菓子の国へ向かっていくのでした。
第2幕 お菓子の国
大きなガチョウの翼に乗り、クララ達一行はお菓子の国に到着しました。
ハンス・ピーターはクララの勇敢さによって救われたと金平糖の精に伝え、ドロッセルマイヤーはお礼として美しく賑やかな祝宴を二人に贈ります。
しかし、喜びが絶頂に達したところで急に全てが消えていき、気が付けばクララは客間のツリーの下で目を覚ましていました。
夢から醒めたクララは外に出ると、見覚えのある若者とすれ違います。
そしてドロッセルマイヤーの部屋に、ハンス・ピーターが元の姿で帰ってきたのでした。
ロイヤルバレエのくるみ割り人形
ここで少し、ロイヤルバレエの「くるみ割り人形」について、見ていきましょう。
くるみ割り人形はどのような作品?
バレエ「くるみ割り人形」は、E.T.A.ホフマンの『くるみ割り人形とねずみの王様』を原作とする、チャイコフスキーが作曲したバレエ音楽、およびその音楽を使用したバレエ作品です。
チャイコフスキーの三大バレエの一つでもあります。
台本はかの有名なマリウス・プティパ、振付はプティパの後輩のレフ・イワーノフによってされました。
初演は1892年、マリインスキー劇場にて行われています。
ピーター・ライト版とは
くるみ割り人形の台本や振付は、様々な改訂がされていますが、中でも有名なのがこの「ピーター・ライト版」です。
ピーター・ライト版くるみ割り人形は、1984年にロイヤル・バレエにて初演されました。
その後1990年に、バーミンガム・ロイヤル・バレエにて更に改訂、初演され、日本ではスター・ダンサーズバレエ団によって上演されています。
プティパとイワーノフの台本、振付との違いは、
- くるみ割り人形の正体が王子ではなく、原作通りのハンス・ピーターである点
- お母さんが元バレリーナであり、クララがバレリーナを夢見る女の子である点
- 2幕の金平糖の精をクララ役ではないダンサーが踊る点
などが挙げられます。
ロイヤルバレエ「くるみ割り人形」の見どころは?
バレエ「くるみ割り人形」には見どころがたくさんあります!
全部は語りきれないので、絶対に注目してほしい3点をご紹介します。
美しい音楽
くるみ割り人形の魅力1つ目は何といっても、チャイコフスキーの音楽です。
家庭でも、テーマパークでも、テレビでも、どんなシーンで流れてもほっとするような第1幕の音楽や、幻想的で、キャラクター性の強い雪の国やお菓子の国の音楽など、音楽だけ聴いても一瞬でくるみ割り人形の世界に引き込まれる、美しい音楽は好きな人も多いのではないでしょうか。
特に私のおすすめの曲は雪の国の曲です。
まさに雪がきらきらと待っているような風景がすぐ目に浮かびます。
引用:YouTube
豪華な舞台演出
くるみ割り人形と言えば、豪華な舞台演出も見どころの一つです。
ロイヤルバレエのくるみ割り人形は、セットも豪華で美しく、細部までこだわった衣装も夢が詰まっていて素敵ですよ!
特に素敵なのは、第一幕のクリスマスツリーが大きくなっていくシーン。
まさに、現実から夢の世界へ誘われるような感覚になります。
バレエ「くるみ割り人形」の象徴といっても過言ではありません。
夢のある踊りの数々
バレエ「くるみ割り人形」では、発表会やコンクールなどでも踊られるような有名な踊りがたくさんあります。
また、数あるバレエ作品の中でも、特にドラマチックな踊りが多い印象です。
特に、見ごたえのあるのは第1幕後半のクララとハンス・ピーターのパドドゥ、そして、第2幕終盤の金平糖のグランパドドゥです。
メモ
グランパドドゥとは、古典バレエにおいて、主役の男女が2人で踊る踊りのこと。
アダージョ、ヴァリエーション、コーダの3部構成となっている。
バレエ作品の最大の見せ場。
引用:YouTube
上の動画は第2幕のグランパドドゥより、アダージョです。
個人的には、数あるバレエのパドドゥの中でも、一番盛り上がるパドドゥだと思っています。
プロムナード、ピルエットからリフトまで、基本的なパドドゥの要素を全て含んだアダージョは、パドドゥのレッスンにもよく用いられるのではないでしょうか。
パドドゥの他にも、第1幕の子どもたちのマーチ、大人たちのワルツ、ドロッセルマイヤーの手品、雪の精の踊り、花のワルツ、お菓子の妖精たちの個性豊かな踊りの数々…と、「くるみ割り人形」では目が離せない踊りが目白押しなので、観る際は瞬きも忘れてしまうことでしょう…!
ロイヤルバレエ「くるみ割り人形」の鑑賞方法は?
引用:YouTube
ロイヤルバレエの「くるみ割り人形」は、2020年11月5日から2020年12月31日の間のうち最長7日間、オンデマンドにて見ることができます!
- 配信メディア:Streaming+
- 料金:990円 [税込] ※プレイガイド手数料無料。
- チケット:販売期間:2020年11月5日(木)0:00 ~ 12月30日(水)23:59
- 購入URL:イープラス https://eplus.jp/thenutcracker-vod/
※配信開始日の2日前からはカード決済のみでの販売となります。 - 出演:
ドロッセルマイヤー … ギャリー・エイヴィス
クララ … アンナ・ローズ・オサリヴァン
ハンス・ピーター/くるみ割り人形 … マルセリーノ・サンベ
金平糖の精 … マリアネラ・ヌニェス 王子 … ワディム・ムンタギロフ
薔薇の精 … 金子扶生
また、ロイヤルバレエの「くるみ割り人形」はDVDでも楽しめますので、気になる方はチェックしてみてください♪
上記のDVDは日本人の吉田都さんが主役を踊られています。
「ロイヤルの至宝」と呼ばれる吉田都さんの踊りは観て損なしですよ!
吉田都さんについて、詳しくは下記の記事でご紹介しておりますので、よろしければぜひご覧ください♪
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おわりに ロイヤルバレエのくるみ割り人形でクリスマスを楽しもう!
今回は、ロイヤルバレエの「くるみ割り人形」について、ご紹介してきました。
以下に、内容をまとめます。
- ロイヤルバレエの「くるみ割り人形」は、ドロッセルマイヤーが甥のハンス・ピーターにかけられた呪いを解きに行くお話
- チャイコフスキーの音楽、豪華なセット、夢の詰まった踊りが見どころ
- オンデマンドまたは、DVDで視聴できます
今年は、ロイヤルバレエの「くるみ割り人形」で、素敵なクリスマスを過ごしましょう!
最後までお読みいただきありがとうございます。