こんにちは。kinakomochiです。
今回は、当時バレエ歴10年だった私が、バレエをやめた時のお話をしようと思います。
バレエをやめたい人、バレエをやめたいという子どもがいる親御さん、バレエをやめたいという生徒がいる先生へ。
なにか、伝わるものがあれば嬉しいです。
ちなみに、私はバレエをやめたのち、1年後に再開しているのですが、その時の話はまた今度。
バレエをやめたのはもう7年ほど前になりますので、記憶があいまいなところもありますが、できるだけ丁寧につづれたらと思います。
目次
バレエをやめたい人へ。バレエ歴10年目の私がやめた時の話。
結果から申しますと、私がバレエをやめたのは高校2年生の時でした。
これは、かなり続けた方かと思います。
でも、実際やめようと思った時期はそれまでに3回ありました。
- 小学6年生(友達がやめ始める)
- 中学2年生(才能の限界に気づく)
- 高校2年生(学業との両立の限界に気づく)
それぞれについて、お話ししていこうと思います。
小学6年生:友達がやめ始める
小学6年生は、おそらくバレエをやめる子どもが一番多い時期ではないでしょうか。
私の教室では、およそ2/3くらいの友達がやめてしまいました。
理由は、だいたい「中学校の部活を優先したい」でした。
私も当時一番仲が良かった子が、まさに「部活に入りたくて」やめてしまい、寂しい気持ちがありました。
ただ、その友達がやめるということは、なんとなく想像できていたし、その子がやめるから私もやめる…というほどの寂しさではありませんでした。
私の気持ちとしては、中学の部活に入るためにバレエをやめるならば、バレエをやるために部活に入るのをやめたいなと。
まだ、バレエへの気持ちが強かったんですね。
小学生のころは背が低く、割と動きやすい体をしていたのもあると思います。
バレリーナになることも、ワンチャン…あり?と思っていたくらいでした。(まだ軽い感じですが)
ただ、このタイミングで友達が一気に減ったので、バレエ教室は必然的に「友達に会う場所」から「バレエを習うための場所」にかなり変わっていったと思います。
また、仲が良かった子がやめてしまったので、あまり話したことがなかった子と話すようになり、話す話題や遊びがだいぶ変わりましたね…。
それはともかく、この小学6年生が最初に「バレエをやめる」ことに大きく触れたタイミングでした。
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中学2年生:才能の限界に気づく
バレエをやめる次のきっかけは、中学2年生の時です。
タイトルが重いですね(笑)そうです。才能の限界に気づきました。
私のバレエ教室では、小学3年生くらいから、全国規模のバレエコンクールに参加するようになりました。
もちろん、希望者のみです。
私は当時、かなりバレエが好きでしたし、練習が苦ではなかったので、バレエのコンクールにも積極的に参加していました。
小学生のころは、まだ良かったんです。
コンクールといいつつ、まだ発表会の延長のように思っていたところがあったので。(真面目にやれって感じですが)
でも中学生になってくると、小学6年生でふるいにかけられた人達しか残っていないので、必然的にレベルが上がるんですね。
もう、一気に3レベルくらい上がったような感覚でした。(分かりづらい…)
中学生でバレエをやっている、しかもコンクールに出ているような人たちって、ほぼプロを目指している人なんですよ。
そこで、私もかなり真剣にバレエに向き合うようになりました。
その中で…気づいてしまったんですね。
あぁ、私はバレエに対する情熱が、足らないなと。
技術云々の話ではなく、「気持ち」の問題でした。
私は変なところで完璧主義なので、それが邪魔をしたのかもしれません。
これは持論ですが、才能ってかなりの割合「情熱」でなんとかなると思うんです。
もっとうまくなりたい、うまくなってあのバレエ団の中で踊りたい。とか。
逆に言えば、そういう気持ちがないと才能を伸ばすことってできないと思います。
私はもちろん、情熱の足りなさに気づく前に、才能の足りなさに気づきました。
このままじゃだめだと。
でも、どうにもこうにも、うまくなりたい、アレができるようになりたい…!という気持ちが、沸いてこなかったんですね。
そこで、「バレリーナになりたい」という淡い気持ちは、溶けていってしまいました。
でも、すぐに「やめたい」という気持ちは沸いてきませんでした。
バレエは好きだったから。
踊っているときが、一番自分らしくいられるなと思っていたので、バレエをやめるという選択肢はすぐにはでてきませんでした。
高校2年生:学業との両立の限界に気づく
中学2年生で、「バレリーナになりたい」という気持ちが溶けてしまったわけですが、それでもなんとなくバレエを続けていました。
私はバレエを、ある先生のもとでずっと習っていたんですね。
なので、だいぶそのバレエ教室に愛着がありました。
そこを離れるのが少し寂しいというか。
だから、なかなか「やめたい」と言い出せませんでした。
そんな私にいよいよ限界が近づいてきます。
それは…「大学受験」です。
私はそれなりに、お勉強が好きでした。
高校受験もしたんですが、運よく前期と呼ばれる面接や小論文だけ書くほうで合格してしまったので、あまり苦労しませんでした。
しかし、大学受験。これはそう簡単にはいきません。
しかも、一般受験が受けたかったんです。(なぜ)
一度は経験してみたかった。
高校はまあまあな進学校だったので、勉強はそこそこ大変でした。
高校1年生はなんとか乗り切ったものの、高校2年生に上がった瞬間、睡眠時間が明らかに減りました。
バレエのレッスンは夜なので、帰ってくるのはいつも22時を回っていて、そこから勉強していたので当たり前ですね。
体が悲鳴を上げ始めました。
しかも、高校生までバレエを習っているということは、まあ真剣にバレエをやっていればダンサーを目指しているはずなので、指導にも力が入ります。
ピーク時は週5回のレッスンに行っていました。
が、当時私があまり真剣にバレエをやる気はなかったと知ったら、きっと怒られるでしょうね…(笑)
心の中は常に葛藤していました。
「バレエも頑張りたい。先生たちの期待に応えたい。」
「勉強しなきゃ。早く帰らなきゃ…。」
「レッスン行かなきゃ。置いていかれてしまう。」
「ダンサーになるわけじゃないのに、いつまでバレエやってんの?レッスン代も高いのに」
…バレエ、やめよう。
先ほど少しお話ししましたが、私は変な完璧主義を持っています。
それにバレエは結構わかりやすくて、1日休んだらもう動きが変わるし、1週間休んだら一般人にもどると言われていました。
つまり、今の踊りをキープするには、今のペースで続けるしかなかったのです。
これでレッスン回数を減らしたら、今までの自分の踊りはできなくなる。
先生からも呆れられる。
ケガもするかも。
しかも、大学に行って、会社で働きたいという思いが沸いてきていました。
勉強を頑張りたいという気持ちが、バレエをやりたい気持ちに勝ってきたのです。
こうなると、もうバレエをいつやめるか、という思考回路になっていきました。
そのころになると、同年代の子たちもバレエをやめるのを考え出しているので、先生もいろんな生徒から「やめたい」という話を聞いていました。
それで、あまりいい顔をしてないのも知っていました。
ずっとお世話になった先生に、「やめる」というのが怖かったのもありました。
でも、言わなければ。
何回も決心しなおして、初めて先生に「やめたい」といったのは、高校2年生の夏ごろだったかと思います。
案の定、先生はすぐにいいよとは言いませんでした。
回数を減らしてみたら?後悔するよ?
しかも、先生と話しているうちにだんだん、やめなくていいか…という気持ちになってきました。
結局その時は、週5回から週4回にとりあえず減らす。だけで終わったと思います。
それから週4回のレッスンになりましたが、体力的には週5回とそれほど変わらないほど辛いのに、体はどんどん踊れなくなっていく。
それが本当に辛かったです。
それから秋ごろにまた、先生とお話しして、ついに週2回…週1回とレッスン回数が減っていきました。
そして、高校3年生になる直前。
「やめる」という決断を下しました。
もうその時は、先生も優しかったし、私はどんな感情かわからない涙をたくさん流しました。
寂しいのか、悔しいのか、申し訳ないのか…。
その時の光景は今でも覚えています。
夕日が差し込む事務所が、とても綺麗でした。
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おわりに バレエをやめたい時は
かなり自分の話をしてしまって、恥ずかしいですね。
もし、バレエをやめようか迷っている人がいるのなら、1つだけ伝えたいことがあります。
それは、「自分が納得して、やめてほしいということ。」
やめたいと思うにはいろんな理由があるかと思いますし、もったいないという気持ちも絶対にあると思います。
けれど、何かを「やめる」のは立派な経験だと思います。
それが自分で下した決断であるならば、なおさらです。
別れは本当に痛くて、辛いこともありますが、それを乗り越えた先は、素晴らしい未来が待っていますよ。
そして、戻ってきたくなったら、戻ってくればいいのです。
(私は1年後、違う場所でまたバレエに戻ってきました。)
皆さんのステキな未来を祈って。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。