皆さま、バレエ『リーズの結婚』のお話をご存じでしょうか?
古典バレエ界では、『ジゼル』と同じくもっとも古いバレエ作品と言われています。
また、コンクールでもよく踊られる「リゼットのヴァリエーション」が、出てくる作品でもあります。
今回は、そんなバレエファンが気になる『リーズの結婚』のあらすじのご紹介です!
また、英国ロイヤル・バレエの『リーズの結婚』が2/28(日)まで配信されておりましたので、そちらの見どころもご紹介していきます!
- バレエ『リーズの結婚』の作品を知りたい方
- 「リゼットのヴァリエーション」について知りたい方
- ロイヤルバレエの『リーズの結婚』が気になる方
ぜひ、本記事をお楽しみいただけると嬉しいです。
目次
バレエ『リーズの結婚』のあらすじは?見どころもご紹介!!
この記事は、以下の流れでご説明していきます♪
- バレエ『リーズの結婚』のあらすじ
- バレエ『リーズの結婚』はどんな作品?
- リゼットのヴァリエーションについて
- ロイヤルバレエ『ラ・フィーユ・マルガルデ』の見どころ
- バレエ『リーズの結婚』を観る方法
バレエ『リーズの結婚』のあらすじ
まずは、バレエ『リーズの結婚』の相関図をご覧ください!
舞台はフランスの田舎。
季節は、秋が始まったころです。
第一幕 シモーヌはリーズとアランを結婚させたい
農家の朝。
鶏たちが起きて、朝の訪れを告げます。
そこに、気持ちよく目覚めた、パジャマ姿のリーズが飛び出してきました。
リーズは恋人のコーラスが気づいてくれるように、ピンクのリボンを木の枝に引っ掛けます。
ほどなく、農夫のコーラスがやってきてリボンに気づき、リーズとコーラスはリボンで仲良く踊ります。
しかし、気配に気づいたリーズの母、シモーヌに邪魔されてしまいました。
今日は、豊かな農場経営者のトーマスが、息子のアランを連れてやってくる日。
シモーヌは、アランと娘リーズを結婚させようと思っているのでした。
少しして、アランを連れたトーマスがやってきました。
人と少しテンポのずれたアランは滑稽な行動ばかりして、みんな呆れてしまいます。
ひとまず一行は、トーマスの馬車で収穫中の畑に出かけることになりました。
畑では、農夫たちが楽しそうに収穫しています。
こっそり母親の目を逃れたリーズは、農夫のみんなに見守られながらコーラスと仲睦まじく踊ります。
すると、シモーヌが娘の密会現場をおさえようとしますが、コーラスとリーズを応援する農夫たちがなんとかごまかし、シモーヌは村娘たちと自慢の「木靴の踊り」を披露します。
そこへ、突然嵐がやってきて、アランが飛ばされてしまうのが見えました。
第二幕 リーズの結婚相手は誰?
急な雨に見舞われたシモーヌとリーズが、慌てて家に駆けこんできました。
リーズはまたも、シモーヌの目を盗んでコーラスに会いに行こうとします。
けれど、シモーヌはそれを阻止するため、戸に鍵をかけ、鍵を自分のポケットにしまいこみました。
さらに、リーズがどこか行かないように、糸巻をはじめ、リーズを手伝わせます。
しかし、やがてシモーヌは寝込んでしまって、リーズは窓から身を乗り出してコーラスと愛を語ります。
シモーヌが目を覚ますと、農夫たちが収穫した大きな麦束をもってやってきました。
麦束を確認したシモーヌは、リーズとアランの結婚を進めるため、リーズを家に閉じ込めました。
そして、アランとトーマス、そして公証人を呼びに行ってしまいました。
シモーヌに閉じ込められて、落ち込むリーズ。
リーズはコーラスへの愛と、将来コーラスと築きたい家庭について夢見心地で空想します。
しかし、実はコーラスは今運ばれた麦束の中に隠れていて、リーズの空想をすべて見ていたのでした。
一通り見た後、コーラスは喜んでリーズの前に飛び出してきます。
そうしてリーズとコーラスは愛を誓いあいますが、ちょうどその時シモーヌが戻ってきてしまったので、リーズは自分の部屋にコーラスをかくまいます。
リーズの不自然な行動を警戒して、シモーヌはリーズを部屋に閉じ込め、結婚式のために公証人と農夫たちを家に呼びました。
やがて、アランとトーマスがやってきて、リーズの部屋を開けさせると、そこには花嫁衣裳を着たリーズがコーラスと手を取り合っていました。
それを見たみんなは、大騒ぎ!!
2人の様子を見た公証人は、リーズとコーラスこそ結婚させるべきだとシモーヌを説得します。
ついにシモーヌは折れて、コーラスをリーズの婿として、認めることにしました。
トーマスは激怒して、結婚契約書を破り捨て、放心状態になっているアランを引き連れて家を出て行ってしまいました。
こうして、リーズとコーラスはみんなに祝福されて結婚し、みんなは大喜びで踊りながら家をあとにします。
無人になったはずのシモーヌの家に、窓から怪しい人影が忍び込んできました。
それは、アランでした。
アランは、失くしたと思っていたお気に入りの赤い傘を見つけて、ご機嫌に飛び出していくのでした。
バレエ『リーズの結婚』はどんな作品??
リーズの結婚は、1789年にフランスで発表されました。
古典バレエの中では、『ジゼル』と並んで、最古のバレエ作品と言われています。
日本語では『リーズの結婚』ですが、フランス語名は『ラ・フィーユ・マルガルデ』。
意味は、「下手に見張られた娘」です。
一番有名な『リーズの結婚』は、フレデリック・アシュトンが振り付けた英国ロイヤル・バレエ版で、日本では牧阿佐見バレヱ団がレパートリーとしています。
ロシア版は、ルートヴィッヒ・ヘンテルの曲に、マリウス・プティパとレフ・イワノフが振り付けています。
ヒロインの母親シモーヌを男性が踊ったり、軽快な「木靴の踊り」や着ぐるみをかぶった「鶏の踊り」が特徴的です。
リゼットのヴァリエーションについて
コンクールでよく踊られる「リゼットのヴァリエーション」は、この『リーズの結婚』に出てくる踊りです。
英国ロイヤル・バレエ版ではなく、ロシア版の結婚式の場面で踊られることが多い曲のようです。
引用:YouTube
ロイヤルバレエ『ラ・フィーユ・マル・ガルデ』の見どころ
さて、冒頭でもお伝えしました通り、英国ロイヤル・バレエの『リーズの結婚』が2/28(日)まで、配信されていました。
ここからはその配信についてご紹介していきます。
配信の概要
英国ロイヤル・バレエ
『ラ・フィーユ・マル・ガルデ』(2015)
■配信日
2021年1月29日~2021年2月28日
■キャスト
リーズ:ナタリア・オシポワ
コーラス:スティーブ・マックレー
シモーヌ:フィリップ・モスリー
トーマス:クリストファー・サンダーズ
■料金
355円
■Royal Opera House Stream 公式サイト
見どころ①圧倒的に明るいコメディ
見どころの1つ目は、「圧倒的に明るいコメディ」であることです。
バレエ作品の中で、これほど明るい作品は他にないと思います。
リーズとコーラスの熱々っぷりや、まるでお芝居をみているかのようなリアルな演技。
そして、シモーヌやアランといった、いわゆる名わき役がとても目立っていい味を出していて、見ていてとても楽しいです♪
子供からおじいちゃん、おばあちゃんまで、笑って楽しめるような作品。
みんなが求めるハッピーエンド。
もし暗い気分になっていたとしても、『リーズの結婚』を見れば一発で笑顔を取り戻せるでしょう。
見どころ②豪華なキャスト
今回の配信のキャストがこれまた豪華です。
ヒロインのリーズは、英国ロイヤルバレエを代表するプリンシパル、ナタリア・オシポワ。
圧倒的な技術と、パワフルな踊り。そして、どこまでも可憐で無邪気な少女を演じていて、簡単に惹き込まれてしまいます。
リーズの相手役、スティーブン・マックレーもプリンシパルダンサーです。
とても鼻が高くて美男ですね。(そこ?)
踊りもクリアでぶれることなく、リーズが大好きで仕方ない青年をしっかり演じていて、オシポワさんに負けない魅力をはなっていました。
なんというか、スター性があると思います。
ロイヤル・バレエのスーパースター2人の、ドラマティックでテクニックの詰まったバレエは、とても見ごたえがあります。
見どころ③カラフルで可愛い小道具たち
『ラ・フィーユ・マルガルデ』は、小道具や衣装などの舞台芸術がとても素敵です。
リーズのパジャマも、友人たちも、ボリュームがあってとても可愛い。
リーズのおめかし衣装は可憐なピンクでとても可愛い。
そしてなんといってもシンデレラのような真っ白い花嫁衣裳が、素敵過ぎました。
シモーヌの深い緑のドレスも、コーラスの明るい黄色のズボンも、アランの帽子に咲く花も、農夫たちのカラフルな作業服も。
すべてが色鮮やかで、ながめているだけで幸せな気分にしてくれます。
忘れてはいけないのが、鶏ですね。
中に人間が入った状態で、ここまで鶏に似せることができるのかと感動してしまいました。
また、小道具はリボンや麦束、笛、傘など、本当に色々でてくるのですが、なんといっても魅力的なのはピンクのリボンです。
リボンを使ったパ・ド・ドゥが第一幕ではたくさん登場するのですが、あやとりのように巧みに操ったり、新体操のように空中を描いたりします。
特に、農夫たちに囲まれるなかで、たくさんのリボンを持って踊る踊りは、『リーズの結婚』の代表的な場面で、まさに圧巻です。
ぜひ、小道具を使いこなすダンサーたちの動きに、注目して見てください♪
バレエ『リーズの結婚』を観る方法
さて、ここまでバレエ『リーズの結婚』について、ご紹介してきました。
最後に、『リーズの結婚』を観る方法をご紹介します。
YouTubeで観る
最初は無料のYouTubeから。
YouTubeでは全幕を見ることはできませんが、ヴァリエーションや、踊りの抜粋をみることができます。
牧阿佐美バレヱ団の全幕ストーリー映像は、全幕のストーリーがぎゅっと詰め込まれているので、
全幕の雰囲気を味わってみたい方はこれをみるだけでも十分かもしれません。
引用:YouTube
DVDで観る
全幕を見る方法2つ目です。
前項でご紹介した英国ロイヤル・バレエの『リーズの結婚』は、DVDでも観ることができます。
英国ロイヤル・バレエ『ラ・フィーユ・マル・ガルデ』
主演:ナタリア・オシポワ、スティーブン・マックレー
落ち込んだ日のために、自分への回復材として一つ持っておいてもよいかもしれません。
また、ロシア版もご紹介しておきます。
ボリショイ・バレエ『ラ・フィーユ・マルガルデ』
ロシア版では唯一のDVDのようです。
おわりに バレエ『リーズの結婚』を楽しもう!!
さて、ここまでバレエ『リーズの結婚』について、ご紹介してきました。
内容を簡単にまとめます。
- バレエ『リーズの結婚』は、フランスの田舎が舞台のコメディのようなバレエ。
- リーズと農夫コーラスのカップルと金持ちアランと娘を結婚させたい母親シモーヌとの攻防のお話。
- 英国ロイヤル・バレエ版が2021/2/4まで配信中。
とにかく楽しいバレエが観たい!という方は、ぜひチェックしてみてください♪
最後までお読みいただきありがというございます。